仏ヴェオリアがスエズ買収で合意 3兆4千億円

【パリ=白石透冴】水ビジネス世界大手仏ヴェオリアは14日、同業仏スエズを買収することで最終合意したと発表した。買収総額は約260億ユーロ(約3兆4千億円)。売上高約370億ユーロの巨大企業が誕生する。スエズ経営陣は約8カ月にわたって抵抗を続けてきたが、受け入れた。
欧米メディアによると、ヴェオリアは2021年7~9月にもTOB(株式公開買い付け)を実施し、スエズ株を1株当たり20.5ユーロで買い取る。ヴェオリアにとって北米、南米、中東などでのさらなる事業強化につながる。社員数は18万人から23万人に増える。
仏AFP通信によると、ヴァエリオは水ビジネスでもともと世界首位だったが、買収で世界シェア約5%になるという。ヴェオリアが20年秋から買収の意思を示したのに対し、スエズは当初条件などに反対した。一時は仏政府も巻き込む論争となった。