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中国原発で放射線漏れか、米報道 仏電力が取締役会要求

(更新)
台山原発は中国とフランスの合弁企業が建設した=ロイター

米CNNテレビは14日、中国広東省台山市の台山原子力発電所から放射性物質が漏れ、周辺地域の放射線量が高まっている恐れがあるとして、米政府が調査していると報じた。建設と運転に関わるフランスの原子炉製造会社「フラマトム」(旧アレバ)が米政府に報告し、解決に向けて技術協力を求めたという。

台山原発に3割を出資する仏電力公社(EDF)も14日、同原発から「希ガス」と呼ばれる元素の濃度が原子炉内で高まっていると報告を受けたと発表した。危険性の有無には触れていない。

台山原発は中国国有原子力大手、中国広核集団(CGN)とEDFによる合弁事業。EDFは合弁企業に臨時取締役会の招集を求めた。「経営陣が全ての情報と必要な決定を開示する」のが目的だとしている。

ロイター通信によると、中国企業側は「台山原発と周辺地域の(放射線量の)データは正常だ」と発表した。運転状況は安全規則を満たしており、周辺環境にも異常はないと主張した。

CNNが入手したフラマトムが米エネルギー省に送った文書などによると、中国当局は原発の稼働停止を避けるため、周辺地域の放射線量に関する安全基準を緩和し、許容される上限を引き上げたという。フラマトムはフランスの安全基準を超えていると警告した。

米政府は先週から国家安全保障会議(NSC)などで対応を協議し、中国側とも連絡を取っているとみられる。CNNは関係者の話として、米政府当局が現時点では「危機的なレベル」には達していないとみているとも伝えた。住民らに深刻な脅威が確認された場合は米政府が公表に踏み切る可能性があるが、稼働停止は中国側が判断する。

EDFなどによると、希ガスの濃度上昇があったのは2基ある原子炉のうち1号機。「希ガスが見つかるのは既知の事象だ」と説明した。一般に原子炉内では核反応の過程で希ガスであるキセノンやクリプトンが発生することが知られている。EDFは合弁企業と連絡を取り合い、技術的な助言をしているという。

フラマトムは14日、同原発の「推移の分析」を支援していると発表した。「手に入る情報で判断すると、原子炉は認められた安全性の範囲で稼働している」としている。AFP通信によると、国際原子力機関(IAEA)も中国当局に連絡し、情報を収集している。

台山原発はフランスの技術による「欧州加圧水型炉(EPR)」を採用した最新型の原発で、2018年12月に商業運転を開始した。中国は原発を産業育成の重点領域と位置づけ、20年末時点で約50基が稼働し、米仏に次ぐ発電能力を持つ。

(小川知世、パリ=白石透冴)

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