英でメタに代表訴訟 個人情報搾取と追及、3600億円超

【ロンドン=篠崎健太】米メタ(旧フェイスブック)が利用者の個人情報を不当に利用したとして、英国で同社に対価の支払いを迫る代表訴訟が計画されていることが14日、明らかになった。英国でフェイスブックを使う最大4400万人が「搾取」を受けたとして補償を求める。請求額は少なくとも23億ポンド(約3600億円)になる見通しだ。
訴訟を準備しているのは競争法の専門家であるリザ・ラブダール・ゴームスン氏で、英利用者を代表する形で訴えを起こす。フェイスブックが利用者の個人情報を使って多くの利益を上げながら、その見返りが無料で利用可能というだけなのは「不公正な対価」であり、競争法に反すると主張している。
訴訟の対象期間は2015年10月~19年12月で、最低23億ポンドの補償や金利などの支払いを求める構え。ソーシャルメディアとして多くの利用者を抱えるフェイスブックが、圧倒的な市場支配力を使って顧客を搾取しているという反競争の観点で追及するという。
これに対し、メタの広報担当者は「利用者はサービスに無料でアクセスしている。我々が価値を提供し、彼らがプラットフォーム上でどの情報を誰と共有するか制御できるからこそ選ばれている」とのコメントを出した。そうした利用を可能にするために「多額の投資を実行してきた」と強調し、対価が不当との言い分に反論した。