ベラルーシ、反体制派指導者の夫に懲役18年
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【モスクワ=石川陽平】ベラルーシの裁判所は14日、反体制派ブロガーのセルゲイ・チハノフスキー氏に対し、大規模な騒乱を組織したなどとして懲役18年の実刑判決を言い渡した。同氏は反体制派指導者スベトラーナ・チハノフスカヤ氏の夫。2020年8月に実施された大統領選への出馬を表明していたが、同年5月に逮捕され、代わりにチハノフスカヤ氏が立候補した。
大統領選では現職のルカシェンコ氏が6選を決めたと発表されたが、チハノフスキー氏ら対立候補と目された有力な活動家の多くが選挙前に逮捕されていた。大統領選の直後からルカシェンコ政権側の不正を批判する大規模な抗議デモが国内各地に広がった。
欧米諸国はチハノフスキー氏らの逮捕が「政治的動機」によると厳しく批判してきた。独裁的なルカシェンコ政権に厳しい制裁を科しており、今回の判決を機に両者の対立が一段と深まりそうだ。
チハノフスカヤ氏は大統領選の直後に国外へ逃れ、ルカシェンコ政権に対する反政権運動を続けている。夫への有罪判決について自身のインターネットサイトで「違法だ」と批判し、今後も「愛する人を守り続ける」と強調した。
チハノフスキー氏の裁判は非公開だった。国営通信ベルタなどによると、ベラルーシの裁判所は14日、同氏の協力者たちにも懲役14~16年の有罪判決を下した。