EU・ベラルーシ外相が電話協議 不法移民巡り

【ブリュッセル=竹内康雄】中欧ポーランドの東部国境付近に隣国ベラルーシ経由の不法移民が大量に押し寄せている問題で、欧州連合(EU)のボレル外交安全保障上級代表は14日、ベラルーシのマケイ外相と電話協議した。EUはベラルーシのルカシェンコ政権が不法移民をEU側に意図的に送っているとみており、ボレル氏は「現状は受け入れられず、(移民流入は)直ちに止めなければならない」と伝えた。
AP通信によると、ベラルーシ側は移民の流れを減らすために人道支援をしているとして、関与を否定した。
EUは15日に開く外相理事会でベラルーシへの制裁拡大を協議する。EU関係者によると、不法移民の流入に関与している人物や企業などが対象になる見通しで、航空会社や空港、ホテルなども含まれるという。制裁の対象になれば、資産凍結などの措置が課される。ベラルーシ側は制裁は「逆効果だ」と批判した。
両国の国境沿いでは、ベラルーシ側が促す形で移民が国境を越えると、ポーランド当局が押し返すという事態が繰り返されている。現地は気温が氷点下になることも多く、人道上の問題からも米国や国際機関が懸念を示している。
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