英国、初の戦車供与へ ウクライナ大統領に伝達

【ロンドン=中島裕介】英国のスナク首相は14日、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話協議し、英国の主力戦車の「チャレンジャー2」をウクライナに供与する意向を伝えた。英メディアによると、西側諸国が近代的な戦車を供与する初のケースになる。
英首相官邸の報道官によると、スナク氏はゼレンスキー氏に「チャレンジャー2などの提供を通じて、ウクライナ支援を強化するという英国の野心」を説明した。英BBCは14日、十数台のチャレンジャー2が提供される見通しだと伝えた。
ゼレンスキー氏は同日、英国の決定が「我々を戦場で強化するだけでなく、他のパートナーたちに正しいシグナルを送る」とツイッターに投稿し意義を強調した。英国による戦車供与を念頭に、他国からの同様の支援を期待した発言とみられる。
欧米はこれまでウクライナに対して機動性の高い戦闘車などの提供を進めていた。米国は歩兵戦闘車「ブラッドレー」50両の支援を決めた。フランスも装輪装甲車の供与を発表した。
ポーランドは11日にドイツ製戦車「レオパルト2」をウクライナに提供する方針を表明した。実際の提供にはドイツの承認が必要で、現時点でドイツは承認するかどうか表明していない。
ロシア国防省が12日夜にウクライナ東部ドネツク州のソレダルを制圧したと発表するなど、ロシア軍の反撃が激しくなっている。英政府には主力戦車の支援でウクライナの反転攻勢をさらに支援する狙いがあるとみられる。

2022年2月にロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まって1年になります。戦況や世界各国の動き、マーケット・ビジネスへの影響など、関連する最新ニュースと解説をまとめました。
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