オミクロン型、ロンドンで急増 2日以内に主流に
【ロンドン=佐竹実】英国の首都ロンドンで新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」が急拡大している。ジャビド保健相は今後2日以内に主流になる可能性があると指摘した。オミクロン型は重症化のリスクが低いとの指摘もあるが、患者数が増えれば重症者や死者も一定数発生するとみられ政府は警戒を強めている。
ジャビド保健相は13日「新型コロナの変異型がこれほど速く広がったことはない。ロンドンではすでに(感染者の)44%を占めており、48時間以内に主流になるだろう」と述べた。
オミクロン型は英国で急速に広まっている。13日には新たに1576件を確認し、累計では4713件となった。前日は1239件が確認されており、2日で2倍以上になった。英国の1日の感染者約5万人のほとんどがデルタ型だが、英保健安全局は12月中にオミクロン型が感染者の半分以上を占めるようになるとみている。
英政府はブースター接種(追加接種)でオミクロン型の流行に備える考えだ。2022年1月末までに18歳以上の追加接種を終える予定だったが、1カ月前倒しした。軍を動員して接種を急いでいる。
英政府によるとこれまでにオミクロン型に感染した人のうち、10人の入院患者と1人の死亡を確認した。ジョンソン首相は「オミクロン型が軽症だという考えはいったん脇に置き、現在急増していることを認識する必要がある。私たちにできる最善のことはブースターを受けることだ」と述べた
欧州連合(EU)の専門機関である欧州疾病予防管理センター(ECDC)によると、13日時点で23カ国で1686件のオミクロン型の感染を確認した。前日から2倍以上に増えた。症状が分かるケースは全てが無症状か軽症で、死者は報告されていない。
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。
この投稿は現在非表示に設定されています
(更新)