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欧州、「コロナをインフルエンザ並みに」検討 反対論も

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【パリ=白石透冴、ロンドン=佐竹実】欧州で新型コロナウイルスを危機レベルが下がった「エンデミック(特定の地域で普段から繰り返し発生する状態)」と見なす検討が始まった。ワクチンが普及し、オミクロン型の重症化率が低いことから、社会を正常に近づけるとの考え方だ。世界保健機関(WHO)は現段階では反対している。

スペインのダリアス保健相は12日、「コロナの監視体制を見直す必要がある」と語った。感染の全件把握や、軽い症状の人への検査をやめることを検討している。同国ではワクチン接種率が8割を超え、オミクロン型の毒性は低いとの研究が相次いでいることから、国全体が危機に陥る可能性は下がったとみている。

サンチェス首相も10日、現地メディアの取材に「次の段階はコロナをインフルエンザのようにとらえることだ。コロナがパンデミック(世界的流行)からエンデミックの病気に変わったか評価する必要がある」と語り、欧州連合(EU)全体での議論を呼びかけた。国を挙げての全件検査をやめれば、医療関係者の負担も大きく下がる。感染者や濃厚接触者の長期間の隔離が不要になれば、多数の病欠によって社会機能がマヒする懸念も小さくなる。

スイスでも同様だ。コロナ対策を担当するベルセ内相は12日、「パンデミックからエンデミックへの転換点に来ているのかもしれない。まだ分からないが、オミクロン型は終わりの始まりかもしれない」と記者会見で語った。在宅勤務の原則義務化などの対策は3月末まで続ける予定だが、見直しの検討に入った。

オミクロン型の感染が年明けにかけて急速に広がった英国でも、エンデミックが意識されている。感染者が急増する一方で人工呼吸器が必要な患者数は昨年夏から変わらず、死者数(死亡診断書に記載があるケース)は増えていない。13日には、感染者の隔離期間を5日に短縮した。ジャビド保健相は「英国はコロナとの共生を学ぶことについて世界をリードしている」と述べた。

ただWHO幹部は11日の記者会見で「不確実なことが多くある。エンデミックと呼べる段階には入っていない」と語った。最も高い水準の警戒態勢を要求する「懸念される変異型(VOC)」はオミクロン型が最後ではないと分析しており、感染者を減らして変異型が発生する可能性を下げることが重要だとみている。

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