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EU、英領北アイルランド問題で妥協案 通関手続き緩和

【ロンドン=中島裕介】欧州連合(EU)の欧州委員会は13日、英国のEU離脱に伴って英領北アイルランドに導入された通商ルールを緩和すると発表した。今年初めの完全離脱から続いていた英EU間の摩擦を解消するのが狙い。ただEUの案では英国の要求をすべて満たしておらず、英EU間の対立が解決するかどうかは不透明だ。

通商ルールは両者が合意した「離脱協定」に盛り込まれた。英本土から北アイルランドに入る食品や医薬品などの物品について、同じ英国内にもかかわらずEUの製品基準の順守を求めたうえで、通関手続きが必要になるのが柱だ。多数の犠牲者を出した北アイルランド紛争が再発しないよう、EU加盟国アイルランドと北アイルランドの間に国境を設けないための措置だ。

ただ北アイルランドでは新たな通関手続きの発生で物流の遅延などの混乱が断続的に発生。政治的にも英国の統治の強化を求める親英派の住民が「南のアイルランドとの同化が進む」と警戒し、通商ルールの撤回を求めている。

これを受けて欧州委は13日、英本土から北アイルランドに出荷する際に必要な文書を50%削減すると発表した。食品や植物などの商品に課される検査や手続きも80%削減する。英本土から北アイルランドへの医薬品供給も安定的に確保できるようにする。

欧州委は声明で「この一連の措置が北アイルランドの現場に違いをもたらす」と述べ、英側に受け入れを迫った。ただ英側は通商ルールの抜本的な修正を求めており、溝は大きい。

12日にはEU離脱問題を担当するフロスト内閣府担当相が、北アイルランドへの欧州司法裁判所の関与を取り除くよう要求した。EU離脱以降、英国は欧州司法裁の管轄を外れたが、製品基準でEUルールが適用される北アイルランドでは管轄内に残っている。EU側が英国の要求を受け入れる可能性は低く、両者の摩擦が解消するかは見通せない。

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