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エジプト、欧州に電力輸出へ 再生エネを活用

【カイロ=久門武史】エジプトが電力の輸出を拡大しようとしている。地中海を挟んだギリシャ、キプロスと送電線で結ぶことで合意し、初の欧州への売電に踏み出す。太陽光や風力による発電が急増しており、豊富な再生可能エネルギーを利用した電力供給拠点になることを目指す。

3カ国の首脳は19日の会議で、送電線接続について合意した。これに先立ちエジプトは14日、ギリシャと地中海の海底に両国を結ぶ送電線を敷く覚書を交わした。経由地となる東地中海の島国キプロスとも16日に同様の合意を結んだ。

エジプトの電力・再生エネルギー省によると、第1段階として100万キロワットの電力を送る計画だ。将来は300万キロワットまで増やすとしている。同省報道官は「電力部門を増強しエネルギーの拠点になる構想によるものだ」と説明した。

エジプトは2011年の民主化運動「アラブの春」やその後の政変による混乱で電力不足に陥ったが、発電所の増設で供給余力がうまれた。政府は風力や太陽光発電への投資で再生エネ比率を35年に42%まで高める目標を掲げている。国土の大半が砂漠で面積は日本の2.7倍と広く、発電に使う余地は大きい。

エジプトの発電容量は20年6月時点で約6000万キロワットと、4年間で5割増えた。このうち太陽光・風力は300万キロワット強と同3.4倍に急増している。

電力が余るようになり、20年には南隣のスーダンに売電を始めた。以前から輸出していたリビアに加え、電力が不足しているアフリカ諸国への供給を増やしつつある。

電力の輸出は外貨獲得に貢献するだけでなく、相手国のエネルギー安全保障のカギを握り影響力を増すテコにもなる。自国の建設企業やケーブル製造業の商機を生み出す思惑も透ける。

今月5日には紅海を挟んで向かい合うサウジアラビアと容量300万キロワットの連系線をつくると発表したばかりだ。24年に第1段階の稼働を目指すとしている。

エジプトは産油国だがペルシャ湾岸ほど原油埋蔵量に恵まれていない。エネルギーの輸入は長年財政を圧迫してきたが、再生エネ技術の急速な進歩で有力な輸出国になる機会が訪れた。中東・アフリカと欧州の結節点に当たる地の利も強みだ。

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