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ロシア、2060年にCO2排出実質ゼロ プーチン氏表明

【モスクワ=石川陽平】ロシアのプーチン大統領は13日、モスクワで開催中の国際フォーラム「ロシア・エネルギー週間」で演説し、ロシアで排出される二酸化炭素(CO2)を実質ゼロにするカーボンニュートラルを2060年までに達成する方針を表明した。価格の急激な上昇が問題になっている欧州市場への天然ガスの供給については「追加措置を協議する用意がある」と語った。

CO2の国別排出量でロシアは世界で4番目だが、1991年のソ連崩壊後の経済低迷で排出量自体は大幅に減っていた。さらなるCO2の排出抑制には消極的だと見られていたが、プーチン氏は13日、カーボンニュートラルの達成時期について「われわれは具体的な目標を掲げる、2060年までだ」と述べ、国際的な脱炭素化への貢献に積極的な姿勢を訴えた。

欧州への天然ガス供給については「ロシアは契約を完全に履行している」として、21年には過去最高水準の供給量になると指摘した。1~9月の欧州向けの天然ガス供給量については、ロシアは液化天然ガス(LNG)を含めて前年同期比で15%増やしたと述べ、欧州諸国の要請があれば「もっと増やす」と強調した。ただ、供給増への具体的な計画には触れなかった。

プーチン氏は演説後、ロシアがエネルギー供給を外交の武器にしているのではないかとの疑問に答え、「根拠のない政治的なおしゃべりだ」と否定した。欧州市場での価格の上昇は供給側でなく、需要側に要因があると語った。

プーチン氏はまた、9月に完工した欧州向けのガスパイプライン「ノルドストリーム2」について「まだ行政的な障害が残っている」と述べ、ドイツ当局などに稼働に向けた手続きを急ぐよう求めた。ノルドストリーム2を巡っては米国が制裁を科し、欧州連合(EU)の独占禁止を巡る規制の適用除外が認められないなど課題がある。

プーチン氏は「行政的な障害」に言及することで、ロシアへのエネルギー依存の強まりを懸念するEUやドイツなどに圧力をかけた形だ。ノルドストリーム2を通じて供給を増やせれば「欧州市場での大きな緊張緩和につながる」と主張した。

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