トルコ大統領が5月選挙示唆 支持率回復、野党締め付け - 日本経済新聞
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トルコ大統領が5月選挙示唆 支持率回復、野党締め付け

【イスタンブール=木寺もも子】トルコのエルドアン大統領は18日、大統領選と議会選を1カ月前倒しして5月14日に実施する考えを示唆した。一時は劣勢だった支持率は財政出動などで回復傾向にあり、野党への締め付けも強めている。

「73年後の同じ日、人々は再び『もうたくさんだ』と声を上げるだろう」。エルドアン氏が18日の演説で引き合いに出したのは、1950年5月14日に一党支配に幕を下ろした選挙だった。明言はしなかったが、6月18日が実施期限の大統領選・議会選を約1カ月早めるとの見方が強まっている。

一時は野党側に突き放された支持率は盛り返しつつある。イスタンブール経済研究所(IEA)の1月世論調査によると次の選挙でエルドアン氏の与党連合に投票すると答えた人は33%で、野党連合の31%を上回った。2022年6月時点では与党連合の26%に対し、33%の野党連合がリードしていた。

エルドアン政権は22年12月、最低賃金を前年の2倍に引き上げ、40歳代の一部も含む200万人超を新たに年金の支給対象にすると表明した。IEAのジャン・セルチュキ代表は「昨夏以来、一連の家計支援策が奏功している」と分析する。

こうした大盤振る舞いは家計に一息つかせる半面、足元で64%のインフレを長引かせかねない。支持率を引き上げる効果は6月半ばまで持続しないとみて、早期選挙を予想する声は以前から多かった。

一方、野党への締め付けは強まっている。大統領選の有力候補の一人とみなされていたイスタンブールのイマモール市長は11日、自身が区長時代に入札談合に関与したとして起訴されたことを明らかにした。同氏は22年12月、選挙管理委員会を侮辱した罪で有罪判決を受け、控訴したばかりだ。

イマモール氏は、新たな起訴内容は何年も前に行政裁判所で嫌疑が晴れたなどと反論し、政権による嫌がらせだと批判した。

同氏を巡ってはソイル内相が対テロの政令で市長権限を停止する可能性にも言及した。テロとの関与が疑われる500人以上を市職員として雇用したためとしている。

いずれの嫌疑を巡っても、通常は数カ月~数年かかる有罪判決の確定までは大統領選に出馬できる。ただアトルム大のメティン・ギュンダイ教授(行政法)は「トルコでは何が起きてもおかしくない」として、選挙までにスピード審理が進む可能性も指摘する。野党にとってイマモール氏の擁立はリスクが高くなった。

少数民族クルド系の国民民主主義党(HDP)も追い込まれている。トルコメディアによると憲法裁判所は1月上旬、同党が非合法テロ組織とつながっているとして、政府からの補助金を受け取る銀行口座の凍結を決めた。HDPは議会第3党の地位にあるが、裁判所から解散命令を受ける可能性もある。

もっとも、野党への締め付けが反感を呼べば、エルドアン氏に不利に働く可能性もある。一連の司法の動きを受けた1月世論調査では浮動票が減り、野党連合への支持も増えた。野党連合はHDPと距離があるが、連携に動けば全有権者の10%超を占めるクルド票が野党連合側に流れる可能性もある。

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