仏、飲食店利用にワクチン接種義務付け 8月から

【パリ=白石透冴】フランスのマクロン大統領は12日、8月から飲食店利用時などに新型コロナウイルスのワクチン接種証明書の提示を義務付けると発表した。仏国内ではインド型(デルタ型)が新規感染者の半数を超えて急増が懸念されており、経済活動を保ちつつ感染拡大を食い止めることを狙う。
マクロン氏はテレビ演説で「今すぐ動き出さなければ、感染者数は著しく増えるだろう」と語った。飲食店やショッピングモール、病院、高齢者施設、飛行機、長距離列車などに入るときに接種証明や直近の陰性証明などが必要になる。現状はダンスクラブや1千人以上が集まる場所に行くときを対象としている。医療関係者や高齢者施設の勤務者などには接種を義務付け、9月15日からは未接種者に罰則を適用する。
接種していない人の社会活動を大きく制限することにつながるため、仏政府は当初飲食店などでの提示義務に慎重だった。だが英国やスペインなど欧州各国でデルタ型が急増しており、対策の強化に踏み切った。フランスで1回以上接種を受けた人の割合は5割を超えたが、ワクチンに懐疑的な人の存在などで接種の予約枠には余りも目立つ。
「ウイルスと共に生きる状態は2022年も数カ月続くだろう」と述べ、21年中の感染沈静化は難しいとの見方を示した。フランスの1日当たりの感染者数は4月に約4万人を超えていたがワクチン接種の拡大などで落ちつき、現在は約3千人になっている。

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