W杯巡る汚職「欧州の民主主義に攻撃」 欧州議会議長
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【ブリュッセル=竹内康雄】サッカーワールドカップ(W杯)開催国のカタールが欧州連合(EU)の欧州議会幹部らに金品を贈ったとされる汚職事件で、メツォラ議長は12日に演説し、「欧州の民主主義が攻撃にさらされている」と危機感を表明した。ベルギー検察当局は同日、新たに関係箇所を捜索した。
メツォラ議長は演説で、捜査に全面的に協力する意向を示し「これは我々の価値観とシステムへの試練だ」と力説した。そのうえで再発防止に向けて抑止力と透明性を改善する改革に着手すると述べた。とりわけ国外の関係者との会合については「より透明性を高める」と語った。
事件を受けて、欧州議会はカタールとクウェートのEUへの渡航のビザ免除措置を検討していたが、具体的な決定を見送った。
ベルギー検察当局は12日にも新たな捜索を実施した。声明によると、11日にはイタリアでも実施し、計20カ所を捜索し、関連情報を得るために議員秘書のコンピューターなどを差し押さえた。
捜索の結果、これまでに60万ユーロ(約8600万円)に加え、新たに15万ユーロが見つかった。逮捕されたのは6人で、欧州議会副議長のエバ・カイリ氏ら4人が拘束されている。14日に予審判事に出頭するという。
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