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イラン、ウラン濃縮度60%へ 核合意修復一段と困難に

(更新)
核合意を主導してきたロウハニ大統領は任期満了が迫る=イラン大統領府提供・AP

【ドバイ=岐部秀光】イラン国営メディアによると、同国のアラグチ外務次官は13日、国内で製造する濃縮ウランのレベルを60%に引き上げる方針だと述べた。兵器級である濃縮度90%に一気に近づき、イラン核合意の重大な違反となる。

イランは中部ナタンズで起きた原子力施設へのサイバー攻撃にイスラエルが関与したと批判しており、今回の行動は反発を示したものとみられる。米国の復帰による核合意立て直しへの道のりは一段と険しくなりそうだ。

2015年のイラン核合意では濃縮度の上限は3.67%と定められた。濃縮ウランの製造プロセスは濃縮度が幾何級数的に高まっていくため、60%の濃縮度は兵器級の一歩手前と位置づけられる。

イランは60%の濃縮計画を国際原子力機関(IAEA)にすでに伝えており、14日から作業を開始するという。アラグチ氏はナタンズで被害を受けた遠心分離機について、より能力の高いものに置き換えると述べた。同氏は週内にウィーンで予定されている核合意当事国の会合に出席する。

ロシアのラブロフ外相は13日にイランを訪問し、ロウハニ大統領やザリフ外相らと会談した。両国は包括的協力合意の延長に署名した。3月に中国と経済や安全保障に関する25年の戦略連携協定を結んだのに続く動き。イランは「反米」での結束をアピールする狙いだ。

ラブロフ氏は記者会見で「イランへの制裁は無条件ですぐに解除されるべきだ」と指摘した。米国内ではイラン核合意を巡る新たな交渉について、イランのミサイル開発や周辺国への介入を抑制する機能を持たせるべきだという議論が出ている。同氏はこうしたことを念頭に「イランに新たな条件を受け入れるよう求めるのは完全に無用なことだ」と述べた。

ザリフ氏は新型コロナウイルスのワクチン製造協力でも合意したと明かした。このほど欧州連合(EU)が打ち出したイランへの新しい制裁についても「核合意に打撃を与える」と批判する立場で一致した。

11日に起きたナタンズ施設へのサイバー攻撃をめぐり、イランは米国がイスラエルの攻撃を容認したとみており、不信感を募らせている。

イスラエルは米の核合意復帰に反対の立場だ。イランの核開発活動が加速するなか、核武装を阻止するためのサイバー攻撃や武力行使を支持する声がイスラエル国内で一段と広がる可能性がある。

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