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1月の英輸出、EU向け前年比4割減 離脱が響く

英南部ドーバー港で審査に並ぶトラック(1月15日)=ロイター

【ロンドン=篠崎健太】英統計局が12日発表した1月の貿易統計(季節調整済み)によると、欧州連合(EU)向けのモノの輸出額は前年同月比38.6%減の81億3800万ポンド(約1兆2400億円)だった。マイナス幅は2020年12月(1.0%減)から急拡大し、20年末のEUからの完全離脱による通商環境変化の影響が統計に表れた。

対EU輸出額の減少率は、前年比を遡れる1998年以降で最大になった。EUからの輸入額も15.8%減の162億800万ポンドと、20年12月の14.3%増から一転して大幅マイナスになった。1月の対EU貿易額は前月比でも輸出が40.5%減、輸入が28.9%減とそれぞれ急落した。

英国は20年1月末にEUを離脱し、加盟国だった時とほぼ同じ環境を保つ「移行期間」を同年末で終えた。EUとは自由貿易協定(FTA)を結んで関税ゼロの通商関係は維持したが、新たに申告や動植物品の検査などの通関手続きが必要になり煩雑化した。

貿易額の縮小は、新型コロナウイルスの感染再拡大による経済活動の鈍化も響いたとみられる。ただ落ち込み方は対EU域外(輸出13.8%減、輸入9.3%減)と比べてきつく、統計局は「移行期間の終了による(物流の)乱れが影響した可能性がある」と指摘した。物流混乱への備えで20年末にかけて在庫が積み増された反動も出たようだ。

相手国別の輸出額をみると、EU加盟国ではルクセンブルクを除く26カ国で前年同月より落ち込み、いずれも2ケタの減少率になった。ドイツは43.8%減、フランスは52.3%減だった。一方、年初に経済連携協定(EPA)が発効した日本向けは21.0%増とプラスを保った。

英政府は11日、EUからの一部の輸入品について、厳格な通関手続きの導入を延期する方針を発表した。動物由来製品の輸入の事前申告義務化は4月から10月に半年先送りする。EU離脱では国境管理の権限を取り戻すとうたわれたが、貿易現場の対応が間に合わず妥協を迫られている。

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