ウクライナ、北東部の要衝を奪還 大統領「解放」を宣言

【ロンドン=佐竹実】ウクライナのゼレンスキー大統領は11日、北東部ハリコフ州の要衝であるイジュームなどを「解放」したと表明した。AFP通信などが報じた。ウクライナ軍は東部奪還に向けて勢いづいており、ウクライナのザルジニー総司令官は11日、同軍が6日に始めた東部占領地奪還作戦で3千平方キロメートル以上を奪還したと明らかにした。

イジュームは、ウクライナの東部ドネツク州につながる幹線道路が通る要衝だ。ロシア側も撤退を事実上認めている。ただ周辺地域では一部で戦闘が続いている可能性もある。
米シンクタンク戦争研究所によると、ロシアが4月以降に新たに占領した総面積よりも大きい面積を5日間で取り返したことになる。
ロシア国防省は10日、「イジュームなどの部隊の再配置を決めた」と発表しており、撤退を事実上認めたと受け止められている。戦争研究所はロシア軍はハリコフ州の隣にあるルガンスク州の全域を支配できていないとの見解も発表した。
英国防省は11日の戦況分析で、「過去24時間でウクライナ軍はハリコフ地方で大きな戦果を上げている」と指摘した。「ロシアはこの地域から部隊を撤退させたと思われるが、戦略的に重要なクピャンスクとイジュームでは戦闘が続いている」とした。
ウクライナのハリコフ州での攻勢に対する報復としてロシア軍は同州で攻撃を続けている。ロイター通信によると、ウクライナ高官は火力発電所や水道施設が標的とされていると分析し、ゼレンスキー氏は同州とドネツク州の全地域で停電が生じているとツイッターで発言した。
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