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ロシア軍、ウクライナ西部に戦線拡大 空軍基地を破壊

ゼレンスキー大統領「領土渡さない」

(更新)

【ウィーン=細川倫太郎、ロンドン=篠崎健太】ウクライナへの侵攻を続けるロシア軍が、これまで比較的落ち着いていた西側地域にも戦線を拡大している。11日は北西部ルーツクなどの空軍基地を砲撃で破壊した。ウクライナのゼレンスキー大統領は同日「我々は自分たちの領土を決して渡さない」と強調し、改めて徹底抗戦する姿勢を見せた。

ロシア軍は11日の現地時間早朝、ウクライナ西部で空爆を実施した。攻撃したのはルーツクやイバノフランコフスクの空軍基地で、ロシア国防省は長距離精密誘導兵器で基地を無力化したと明らかにした。ルーツクの地元当局によると現地では3回の大きな爆発があり、ウクライナ軍関係者4人が死亡し6人が負傷した。ルーツクはポーランドとの国境まで100キロメートル程度しか離れていない。

米国防総省のカービー報道官は11日の記者会見で「侵攻が始まってからこれまで西部で空爆はなかった」と語り、ロシア軍の意図や戦術変更を見極める必要があるとした。

中部ドニプロでも住宅や幼稚園に近い場所が空爆を受け、ロイター通信によると少なくとも1人が死亡した。

米国防総省高官は11日、記者団に対して、ロシア軍が首都キエフへ北東部から迫り、キエフ中心部から20~30キロメートルに位置していると指摘した。北西部からキエフに接近するロシア軍は中心部から15キロメートルにいるとした。ロシア軍はキエフの包囲を目指しているとみられ、ウクライナ軍と激しく交戦している。

北東部ハリコフや、南部マリウポリなど主要都市でもロシア軍による激しい攻撃が続いている。交戦を一時停止して住民を安全な場所に避難させるルート「人道回廊」はロシア軍の攻撃で機能しないケースが多く、激戦地に取り残されている住民は多い。一部の地域では食料や医療品、電力の不足も深刻になっている。

ゼレンスキー氏はビデオ動画で「侵攻が始まってから16日がたった。これは敵が計画していた日数の4倍の長さだ」と指摘。「既に戦略的な転換点に到達しており、我々は勝利に向かって進んでいる」と国民を鼓舞した。11日にはバイデン米大統領とも協議し、ツイッターに「ウクライナの防衛支援と、ロシアへの制裁強化のさらなる措置で合意した」とつづった。

ロイター通信によると、ロシアが11日に開いた安全保障会議で、中東から約1万6000人の「義勇兵」がウクライナ東部の親ロ派武装勢力を支援する準備ができているとショイグ国防相が説明。プーチン大統領は参戦を認めた。

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は、侵攻が始まった2月24日から3月10日までで、ウクライナで1546人の民間人の死傷者を確認した。このうち、死者は564人にのぼる。OHCHRは実際の犠牲者数はもっと多いだろうと予測する。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、ウクライナから周辺国などに逃れた難民は11日までに250万人を超えた。ポーランドやスロバキアなど西側の隣国が多く、西部で戦闘が激化すれば難民が行く手を阻まれる恐れがある。

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