イタリア、アルジェリアと天然ガス供給拡大で合意

【ウィーン=細川倫太郎】イタリアのドラギ首相は11日、北アフリカのアルジェリアと同国からの天然ガスの供給拡大で合意したと発表した。ウクライナに侵攻したロシアの天然ガスへの依存を減らし、代替調達先の確保を急ぐ。他の欧州各国も追随する可能性がある。
ドラギ氏は同日、アルジェリアの首都アルジェでテブン大統領と会談し、エネルギー分野での2国間協力の覚書に署名した。イタリア石油・ガス大手のイタリア炭化水素公社(ENI)とアルジェリア国営炭化水素公社(ソナトラック)の間で契約を結んだ。ドラギ氏は今回の合意について、ロシアへの依存を減らすという「戦略的目標に対する重要な答えだ」と述べた。
イタリアは天然ガスの約4割をロシアに頼っている。AP通信によると、アルジェリアからの追加調達で、同国産ガスがロシア産の量を上回ることになる。ドラギ氏は、再生可能エネルギー由来の電気を使って製造した「グリーン水素」などの開発でもアルジェリアと協力する用意があると表明した。
他の欧州連合(EU)加盟国では、バルト3国の1つ、リトアニアがロシアからの天然ガスの輸入を停止した。ドイツは有力生産国のカタールと長期の調達契約を結んだ。ロシア産ガスは供給量がロシア政府の意向で急に絞られるリスクがあるほか、購入代金がウクライナ侵攻の戦費に回る恐れもある。ロシア産ガスへの依存を軽減しようとする動きが欧州で広がっている。

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