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イラク総選挙、対外強硬派が優勢 選管が暫定結果発表

【イスタンブール=木寺もも子】10日に行われたイラクの議会選(定数329)は、イスラム教シーア派指導者ムクタダ・サドル師が率いる勢力が議席を伸ばした上で第1党を維持する勢いだ。過半数には及ばない見込みで、政権樹立に向けた連立交渉が激しくなりそうだ。

選挙管理当局が11日、19州中のうち10州の暫定結果を発表した。投票率は41%で、2018年の前回選挙(44・5%)を下回り、フセイン政権崩壊以降の計5回の選挙で最低となったもようだ。

サドル師が率いる政党連合「行進者たち」は18年に獲得した54議席から議席を伸ばしそうだ。サドル師は対外強硬派として知られ、米国、隣国イラン双方の干渉に否定的だ。一方、前回は第2党だったアミリ元運輸相ら親イランの「征服連合」(シーア派)は48議席から後退しそうだ。

サドル師は貧困層への物資の配布や既存政治への批判などで、貧困層や一部の若者から熱狂的な支持を集める。投票率が低かったことが有利に働いた可能性がある。自派からの首相選出に向け、北部に拠点を持つクルド系勢力との連立を模索している模様だ。実権を握ればイランとの関係がぎくしゃくする可能性がある。

もっとも、イラクの政権発足に向けた連立交渉は長期化するのが通例だ。親イラン派などがまとまれば、サドル師勢力が政権をとれないシナリオも考えられる。サドル師は過激な発言や、自身が抱える民兵組織が過去に多数のスンニ派を殺害した疑惑などで知られ、拒否感を抱く人も多い。

米国がフセイン政権を打倒して以降、イラクではアラブ系のシーア派、スンニ派、少数民族のクルド系などがそれぞれ内部で分裂し、不安定な政治が続く。20年5月に就任したカディミ首相は実務家出身で権力基盤は弱い。年内には米国が駐留部隊をイラクから撤収させる方針を示しており、情勢はさらに流動化しかねない。

今回の選挙は、政治の腐敗や経済低迷に不満を持つ若者らの反政府デモを受け、22年の予定から初めて前倒しで実施された。ただ、改革勢力は分裂したり暴力で活動を妨害されたりして大きなうねりにはならなかった。選挙には毎回、不正の疑惑もくすぶり、投票の棄権が広がった。

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