イスラエル、レバノン海上境界画定で合意

【カイロ=久門武史】イスラエルとレバノンは11日、争ってきた東地中海の海上境界画定で合意した。イスラエルのラピド首相が表明した。同国が沖合で進める天然ガスの増産を後押しするものだ。
両国は米国の仲介で境界画定交渉を重ねてきた。ラピド氏は「イスラエルの安全保障を強化する歴史的達成だ」と歓迎した。AFP通信によるとレバノンの交渉責任者も「レバノンは完全な権利を獲得した」と述べた。
係争中の海域のガス開発を巡っては、イスラエルが北部ハイファ沖のカリシュ・ガス田で生産を始める方針を示したのに対し、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラが強くけん制し緊張が高まっていた。イスラエルはウクライナ危機でロシア産ガスから切り替えを急ぐ欧州へのガス輸出を目指している。
海上の境界画定はレバノンにも将来の天然ガス開発の道を開く。ロイター通信によると同国のエネルギー相は11日、フランスのエネルギー大手トタルエナジーズが境界画定の完了後、レバノン側海域でガスを探査する手続きに入ると述べた。
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