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ウクライナ軍、ヘルソン奪還 ロシア軍も撤退「完了」

(更新)

ロシアのウクライナ軍事侵攻を巡り、ロシア国防省は11日、同国軍が南部のドニエプル川西岸地域から「配置転換を完了した」と発表した。ウクライナ国防省も同国軍が西岸の要衝へルソンに入ったと確認しており、奪還しつつあるようだ。

ロシア国防省のコナシェンコフ報道官は11日、「(ウクライナ南部)ヘルソン方面でモスクワ時間本日午前5時(日本時間同11時)、ロシア軍部隊のドニエプル川東岸への配置転換が完了した」と明らかにした。

さらに「西岸に残された武器は1つもない」と述べ、3万人以上が東岸に移ったと指摘した。撤退命令から、2日足らずで東岸への撤退を終えたことになり、周到な準備があったことをうかがわせた。

一方、ウクライナの国防省の情報当局も11日、声明を発表し、ウクライナ軍の部隊が南部ヘルソン州の州都ヘルソンに入り、ロシアから奪還しつつあると確認した。ヘルソンには取り残されたロシア兵も多く、投降を呼びかけている。

ショイグ国防相は9日、軍事侵攻を指揮するスロビキン司令官に対し、ドニエプル川西岸からの軍撤退に着手するよう命じた。9月に本格化したウクライナ軍の反転攻勢で補給ルートが損害を受けるなど、戦線を持ちこたえられなくなった。

ドニエプル川西岸にあるヘルソンはロシア軍が2月の侵攻開始以降、唯一占領した州都で、ウクライナ軍による奪還で、ロシアは軍事的、政治的に大きな打撃を受ける。ウクライナには、9月中旬に東部ハリコフ州を奪還して以来の最大級の戦果となる。

ロシア軍の撤退について、ウクライナのレズニコフ国防相は10日、ロイター通信に、ヘルソン地域には約4万人のロシア軍が残っていると指摘していた。東岸への撤退は「少なくても1週間はかかる」と指摘し、時間がかかる可能性にも言及していた。

ロシアでは10月18日、新たに軍事侵攻の司令官に就いたスロビキン氏がロシア・メディアとのインタビューで、南部の戦況について「きわめて簡単ではない決定」を下す可能性に触れた。当時から撤退の準備を急いでいたとみられ、撤退命令から2日足らずでの「配置転換の完了」となった。

ショイグ国防相の撤退命令を前に、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル電子版は6日、米国のサリバン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が過去数カ月の間に、ロシアのパトルシェフ安全保障会議書記らと極秘に協議していたと報じた。

ロシア軍の撤退について、ウクライナのアレストビッチ大統領府長官顧問は11月11日、SNS(交流サイト)で、撤退完了の発表後も、何千人ものロシア兵が西岸に取り残されていると指摘した。残された兵士は渡河の手段を失い、目の前にあるドニエプル川を見つめたり、背後から接近するウクライナ軍部隊を振り返ったりしているという。

ウクライナの通信社ウニアンは11日、ヘルソン近くの村々で、住民が「ロシアはいつまでもここにいる!」などと書かれた街頭の看板などを外している映像を公開した。ヘルソンの中心部にウクライナ軍が到着し、群衆から歓迎を受ける動画も流した。

ロシア軍はドニエプル川東岸で守りを固める方針で、今後はウクライナ軍が厳しい冬に、東岸のロシア軍の前線を突破できるかが焦点になる。ロシア軍は西岸からの撤退を前に支流も含めていくつもの橋を爆破したと伝えられる。ウクライナ・メディアでは11日、両岸を結ぶアントノフ橋が破壊された映像も流された。

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