メルセデス、ダッシュボード全面をスクリーンに
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【フランクフルト=深尾幸生】独ダイムラーの乗用車事業会社メルセデス・ベンツは11日、デジタル技術見本市「CES」でダッシュボード全面を覆うスクリーンを披露した。3枚のディスプレーを幅141㌢㍍の湾曲した1枚のガラスにとじ込めた。年内に発表する同社の最上級電気自動車(EV)「EQS」に搭載する。
新開発の「MBUXハイパースクリーン」は運転席側の速度や電池残量を表示するパネルに加え、中央に17.7型、助手席側に12.3型の有機ELディスプレーを統合した。物理的なボタンを廃し、1枚の巨大なタッチパネルのように演出する。
中央の画面はタッチすると押し込んだような感触などを返す。人工知能が運転する人の習慣を学習し、先回りして必要なメニューを表示する。助手席側のディスプレーはナビゲーションや音楽選択を操作できるほか、一部の市場ではテレビや動画を視聴できる。
MBUXハイパースクリーンはCESに先だって7日に世界初公開。CESでは、音声で「あの建物のことを教えて」や「左のレストランの名前は」と聞くと、情報を音声や表示で教えてくれる機能を初めて披露した。
当面は「EQS」など上級モデルのみの搭載となるが、順次、ほかの車種にも広げる。CESでゴーデン・ワグナー最高デザイン責任者は「(ユーザー・インターフェースの)物理的な世界からデジタルな世界への転換点だ」と述べた。