エリザベス女王の1世紀 激動の世界を象徴
欧州総局長 赤川省吾
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8日に亡くなった英女王エリザベス2世の国葬が19日に行われる。ほぼ1世紀にわたって世界を見つめた女王は、英国の外交力の源泉であり、激動の欧州および世界の近現代史を象徴する存在だった。
「欧州の女王だった」(仏紙ルモンド)、「我々の女王が亡くなった」(独紙フランクフルター・アルゲマイネ)。欧州大陸では自らの女王のように報じられた。
女王就任前の1948年、終戦から間もないパリを訪れ、流ちょうなフラ...

英国の女王エリザベス2世が2022年9月8日、滞在先の英北部スコットランドのバルモラル城で死去した。96歳だった。在位70年7カ月は歴代の同国君主で最長。第2次世界大戦後の英国史のほぼ全てを見守り、亡くなる直前まで精力的に公務をこなした。
女王は1926年、後の国王ジョージ6世の長女として生まれた。国王が52年2月に急死すると、25歳という若さで女王に即位。在位期間は世界の存命中の君主でも最長だった。6月には在位70周年を祝う祝賀行事「プラチナ・ジュビリー」が行われた。