COP、1.5度目標合意 英首相「厳しいが達成できる」
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【ロンドン=中島裕介】ジョンソン英首相は10日、第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)開催中の英北部グラスゴーで記者会見した。「気温上昇を1.5度以内に抑えるよう努力する」ことへの合意を全参加国から得るのは可能だとの見方を示した。
12日に閉幕するCOP26は、10日に議長国の英国が会議の合意文書の草案を発表した。原案は「この重要な10年間ですべての締約国の行動が必要だと認識し、1.5度に抑えるための努力を追求する」と明記。そのため「2030年までに世界の二酸化炭素(CO2)排出量を10年比で45%削減し、今世紀半ば頃にゼロにする」としている。
厳しい排出削減を強いられる途上国からは1.5度目標に慎重な意見も出ている。ジョンソン氏は1.5度目標について厳しいとしつつも、「達成できると思っている」と語った。そのうえで各国の首脳に対し、交渉者に妥結に向けた余地を与えるよう求めた。
30年までの排出削減は「現在の各国の状況と必要な対策のギャップを埋めないといけない」と指摘した。「我々はもっと野心的でなければならず、より信頼できる実行計画が必要だ」と述べた。
COPでは例年、交渉の難航で日程が延長されるケースが多い。ジョンソン氏は「私は延長はしたくない」と述べ、早期合意に意欲を示した。

11月に「第27回国連気候変動枠組み条約締約国会議」(COP27)がエジプトで開催されます。どのような議題で議論がなされ、どういう合意がなされるかが注目されます。最新のニュースと解説をお届けします。