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「後払い」クラーナ、企業価値5兆円 ソフトバンクG出資

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後払い決済サービスのクラーナは欧州の未上場のフィンテックで評価額が最大になった=ロイター

【ロンドン=佐竹実】後払い決済サービスのクラーナ(スウェーデン)は10日、ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)などから6億3900万ドル(約700億円)を調達したと発表した。企業価値は456億ドル(約5兆円)に膨らんだ。欧州の未上場のフィンテックとしては最も評価額が大きく、世界でも有数の規模となった。

今回の資金調達はSVFの2号ファンドが主導した。クラーナは欧州のほか米国など17カ国で9000万人の利用者を抱え、世界展開を加速している。SVFが投資したことで、日本進出も視野に入る。

クラーナは2005年の創業で、シンガポールの政府系投資会社GICや米ブラックロックなども投資家に名を連ねる。ヘネス・アンド・マウリッツ(H&M)やイケアなど世界の25万社と提携し、ネット通販の際の後払いサービスを提供している。利用者は、クラーナが提携するオンライン店舗でアプリを通じて買い物ができ、一定の範囲内で金利ゼロの分割払いを選べる。店舗側は手数料を払うが、代金を一括で受け取れる利点がある。

2020年9月時点の企業価値は約106億ドルだったが、1年足らずで4倍強になった。米調査会社CBインサイツのデータによるとユニコーン企業(企業価値が10億ドルを超す未上場企業)で5位に入り、そのうちフィンテックでは世界2位だ。

創業者のセバスチャン・シミアトコフスキー最高経営責任者(CEO)は10日の発表で「消費者は引き続き金利や手数料のかかる買い物を遠ざけ、よりニーズに合った体験を求めている」と指摘。「クラーナの透明性と利便性の高い代替手段は、進化する世界の消費者と合致している」とコメントした。

創業者のセバスチャン・シミアトコフスキーCEO(2020年8月、ストックホルム)=ロイター

「BNPL(バイ・ナウ・ペイ・レイター)」と呼ばれる後払い決済サービスは、クレジットカードがなくても買い物できる手段として世界で急成長している。利用者が電話番号や住所などを入力すると、人工知能(AI)が信用会社の多重債務者の情報などを基に上限額などを瞬時に判断する仕組みだ。1月に米アファーム・ホールディングスがナスダック市場に上場したほか、日本ではペイディ(東京・港)が海外投資家からの出資を受けている。

今回クラーナに出資したSVFは、AIが既存産業を再定義するような世界の成長企業に投資している。これまでに1号ファンドの投資先である米料理宅配サービス最大手のドアダッシュなどが上場して利益を出し、ソフトバンクグループの業績に貢献した。クラーナも今後数年以内の上場が予想されている。

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