ウクライナ難民、230万人超に 止まらぬ国外退避
国連、580億円の支援呼びかけ

【ウィーン=細川倫太郎】国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、ロシアの侵攻が続くウクライナから周辺国に逃れた難民は230万人を超えた。停戦の見通しがたたないなか、各地で戦闘は激しくなる一方で、国外逃避が止まらない。
グランディ国連難民高等弁務官は10日、「ウクライナや近隣諸国での緊急活動のために約5億ドル(約580億円)が必要」と述べ、国際社会に支援を呼びかけた。食料や医療、宿泊場所の提供など人道支援が急務になっている。
隣国ポーランドはこれまでに140万人以上を受け入れ、圧倒的に多い。東部の国境の町には続々と難民が到着し、ボランティアらが車の送迎や支援物資の配給など献身的な救援活動を続けている。ただ、同国の受け入れ能力にも限界がある。ドゥダ大統領は10日、ハリス米副大統領と首都ワルシャワで会談し、米国に家族がいるウクライナ難民が滞在できるように米国ビザ(査証)の発給手続きの迅速化を求めた。
ハンガリー(約21万人)やスロバキア(約17万人)、ルーマニア(約8万人)への流入も目立つ。UNHCRは「第2次世界大戦以降、欧州で最も急速に拡大している難民危機」と警告する。侵攻が続けば400万人に達するとの予測もある。国境での緊急支援を強化したうえで、各国で受け入れをどう分担するかが課題となる。

ロシアがウクライナに侵攻しました。NATO加盟をめざすウクライナに対し、ロシアはかねて軍事圧力を強めていました。米欧や日本は相次いでロシアへの制裁に動いています。最新ニュースと解説をまとめました。
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