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ノーベル平和賞のレッサ氏、FBを批判「ヘイトを拡散」

(更新)

【ロンドン=佐竹実、モスクワ=桑本太】ノーベル平和賞を受賞したフィリピンのジャーナリスト、マリア・レッサ氏とロシアの独立系新聞編集長ドミトリー・ムラトフ氏は10日、ノルウェーの首都オスロでの授賞式で演説した。レッサ氏は米メタが運営するSNS(交流サイト)フェイスブック(FB)が噓やヘイトを拡散しているとして批判した。

フィリピンのオンラインメディア「ラップラー」の最高経営責任者(CEO)であるレッサ氏は、薬物捜査のために容疑者を殺害すると公言するドゥテルテ政権の批判を続けてきた。レッサ氏は演説で、「事実、真実、信頼がなければ現実を共有することができず、民主主義も成立しない。気候問題や新型コロナウイルス、真実との戦いという世界の問題に対処できなくなってしまう」と訴えた。

SNSが普及し、様々な情報がネット空間にあふれる。フェイクニュースだけでなく、投票の誘導や他者への攻撃など悪意を含むものも少なくない。レッサ氏はFBが噓や怒り、ヘイトを拡散していると名指しで批判した。「米国のインターネット企業はヘイトを広め、我々を最悪の状態に引きずり込んで利益を得ている。情報の生態系に流れ込む憎しみや暴力、有害な汚泥を取り除くことが最も求められている」とも述べた。

ロシアの独立系新聞「ノーバヤ・ガゼータ」を1993年に立ち上げたドミトリー・ムラトフ編集長は受賞後のスピーチで「世界は民主主義に愛想を尽かし、エリートに幻滅し、独裁に手を伸ばしている。人権や自由ではなく、技術や暴力によって進歩が達成されるという幻想が生まれている」と述べた。ジャーナリストの役割について、「私たちの使命は事実とフィクションを区別することだ」と強調した。

ロシアについては「権力は戦争を推し進め、人々は戦争を受け入れることに慣れてきている。ロシアが展開したハイブリッド戦争などでウクライナとの関係が破壊された」と批判した。国家のあり方について、「現代の主な問題は、国家のための人々か、人々のための国家かということだ。ロシアでは刑事事件を装った政治的弾圧が行われている」と強権国家の台頭に懸念を示した。

ロシアのメディアの状況については「暗黒の時代を迎えている」とした。「政府はメディアや個人を(国民の敵を意味する)外国の代理人に相次ぎ指定した。ジャーナリストが海外脱出を余儀なくされている」と厳しい見方を示した。今回の平和賞の受賞については「命を落としたノーバヤ・ガゼータの同僚のためのものだ」とした。

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2021年のノーベル賞発表は10月4日の生理学・医学賞からスタート。5日に物理学賞、6日に化学賞、7日に文学賞、8日に平和賞、11日に経済学賞と続きます。

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