エミレーツ4~9月、純利益1600億円 需要回復で最高益

【ドバイ=福冨隼太郎】アラブ首長国連邦(UAE)のドバイを拠点とするエミレーツ航空を傘下に持つエミレーツグループが10日発表した2022年4~9月期決算は最終損益が42億ディルハム(約1600億円)の黒字だった。半期として最高益となった。前年同期は57億ディルハムの赤字だった。新型コロナウイルス禍からの航空需要の回復が業績を後押ししている。
22年4~9月期のグループ全体の収益は前年同期比2.3倍の563億ディルハムだった。新型コロナの感染拡大による世界各国の渡航制限の緩和、解除が進み、航空輸送需要が旺盛になった。
シェイク・アハメド会長兼最高経営責任者(CEO)は「今後数カ月間も事業をパンデミック前の水準に回復させる。顧客需要は堅調に推移すると見込んでいる」と指摘。同時に「逆風がないわけではなく、インフレやドル高などを注視している」とした。
燃料高の影響も出ている。傘下のエミレーツ航空は需要回復に伴う運航の増加と原油価格の高騰で、燃料費は前年同期に比べ3倍以上になったと明らかにした。同航空の営業費用に占める燃料費の割合は38%と過去最高の比率となったとしている。
コロナ禍からの急激な需要回復で、世界の航空業界では人手不足の影響も出ている。エミレーツグループは3月末からの半年間で従業員数を1割増の約9万3千人にしたと明らかにした。
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