バイエル、害虫駆除事業を3000億円で売却 非農業向け
【フランクフルト=深尾幸生】 医薬・農薬大手の独バイエルは10日、非農業分野の害虫駆除製品などの事業を投資ファンドの英シンベンに売却すると発表した。売却額は24億ユーロ(約3080億円)で、2022年内の売却完了を目指す。非中核事業の売却で、18年の米モンサントの買収で増えた負債を削減する。

売却する「環境化学プロフェッショナル」部門は、芝生や林業など向けに害虫駆除剤や除草剤などを手がける。従業員は約800人で、独メディアによると21年の売上高は11億ユーロだった。
バイエルのロドリゴ・サントス取締役は声明で「この売却は非常に魅力的な価格で、我々が中核の農業ビジネスに集中するのに役立つ」と述べた。バイエルは18年に農薬・種子大手の旧モンサントを7兆円以上で買収。その後も旧モンサントの主力だった除草剤などに関連する訴訟で1兆円を超える費用を計上しており、非中核事業の売却を進めている。