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独ビオンテック、コロナワクチン売上高21年に1.6兆円

シンガポールに生産拠点も

(更新)
ビオンテックはワクチン生産能力を相次いで拡大している(2月に稼働した独マールブルクの工場)

【フランクフルト=深尾幸生】新型コロナウイルスのワクチンを米製薬大手ファイザーと共同開発する独ビオンテックは10日、コロナワクチンの2021年12月期通期の売上高見通しを124億ユーロ(1兆6400億円)と発表した。3月時点の予想(98億ユーロ)から引き上げた。同日シンガポールにワクチン生産拠点を設立すると発表。アジアでの供給力も高める。

同社は5月6日までに91カ国・地域に4億5000万回分のワクチンを供給し、年内分として18億回分を契約済みだ。現時点のコロナワクチンの売上高見通しはこの18億回分に基づいており、さらに増える可能性が高い。3月にファイザーと合わせた生産能力を年間25億回分に25%引き上げることを発表したが、22年までに年間30億回分以上にさらに増やす。

21年1~3月期の決算は、最終損益が11億2800万ユーロの黒字だった。前年同期は5300万ユーロの赤字だった。売上高は20億4800万ユーロと前年同期の74倍に急増した。

同社の新型コロナワクチンは遺伝子情報を基に作った「メッセンジャーRNA(mRNA)」を使う。23年にも完成を目指すシンガポールの工場では感染症やがん向けにmRNA技術を使ったワクチンや治療薬を生産する予定だ。品目は新型コロナの感染拡大の状況や新しいワクチン・治療薬の承認動向などに応じて決める。

新工場では原薬から充塡・包装までを一貫で手がけ、ワクチンの生産能力は年間数億回を見込む。供給能力を高めるとともに欧州に集中するワクチン生産拠点を分散する狙いもあるとみられる。投資額は非公表。

工場設立はシンガポール経済開発庁が支援する。21年内に東南アジアの地域統括事務所を設け、工場の建設を始める。早ければ23年に生産開始し、最大80人を雇用する。

ウグル・サヒン最高経営責任者(CEO)は電話会見で、途上国などが求め米政府が支持しているワクチンの特許権の一時的な放棄について否定的な見方を示した。「特許権を放棄しても短中期ではワクチン供給は増えない。製造は複雑で立ち上げには少なくとも1年はかかる。欧州や米国での生産を増やし、それらを確実に途上国に届けることこそが近道だ」と述べた。

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