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G20「底辺への競争」に終止符 国際法人課税の新ルール

(更新)
20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に先立ち会談した麻生財務相(右)とイエレン米財務長官(9日、イタリア北部ベネチア)=財務省提供・共同

【ベネチア=石川潤、細川倫太郎】ベネチアで開かれた20カ国・地域(G20)の財務相・中央銀行総裁会議が10日、閉幕した。議長国イタリアのフランコ経済・財務相は記者会見で「低い税率への競争、底辺への競争の余地が絶たれ、縮小される」と語り、大枠合意した法人課税の新ルールの意義を強調した。

フランコ財務相が「歴史的な合意」と呼ぶ新ルールは①企業が負担する法人税の最低税率を15%以上にする②工場や支店などがなくてもサービスの利用者がいればその国で税金を徴収できるようにする――ことが柱だ。税率の低い国に拠点を置いて税金をあまり払おうとしない巨大IT企業などへの課税強化につながる。

これまで多くの国が企業を引き留めようと、競うように法人税率を引き下げてきた。国の財政が悪化し、富の偏在や格差を招く要因ともなった税率下げ競争に一定の歯止めがかかると期待される。ドイツのショルツ財務相は記者団に「偉大な歴史的な瞬間だ」と語り、「討議の最後に拍手喝采が湧き起こった」と明かした。

取材に応じるショルツ独財務相(10日)

詳細を詰めて10月のG20首脳会議での最終合意に持ち込むまでにはハードルもある。経済協力開発機構(OECD)で議論してきた139カ国・地域のうち、低税率のアイルランドなどが現時点で合意に加わっていない。独自にデジタルサービス税を導入しているフランスなどと、今回の合意を機にそれらの凍結・撤廃を求めている米国などとの間に溝も残る。

ただ、動き始めた歯車は止められないとの声が目立つ。フランスのルメール経済・財務相は「これは世界の税制を変える100年に一度の機会だ。もう後戻りはできない」と語った。米国のイエレン財務長官も声明文で「世界はいま、最終合意に向けて迅速に動くべきだ」と訴えかけた。

ベネチア共和国の繁栄を支えた造船所跡地が会場に(10日)

日本の麻生太郎財務相は「100年ぶりぐらいの大きな歴史的変化だ。画期的な成果で、強く歓迎している」と語った。普段は対立することの多い主要国が足並みをそろえた理由を問われると「カネが入るからだ」と語った。

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