10~12月の英GDP横ばい、速報値 個人消費は小幅増
【ロンドン=大西康平】英統計局が10日発表した2022年10~12月期の英国の実質国内総生産(GDP)速報値は前期比0.01%増でほぼ横ばいだった。年率換算で0.05%増となった。22年7~9月期からの2四半期連続のマイナス成長による景気後退入りはひとまず回避した。GDPの6割を占める個人消費は0.1%増と、インフレによる実質所得の減少で小幅な増加となった。
一般政府支出が0.8%増と2四半期連続で増加した。新型コロナウイルスのワクチン追加接種や防衛関連の費用が増えた。保険や金融サービスの提供が減ったことで、輸出は1%減と前期の9.4%増から減少し、3四半期ぶりのマイナスとなった。
伸び率は調査会社リフィニティブがまとめた市場予想(ゼロ%)と同じだった。12月の英消費者物価指数は前年同月比10.5%の上昇と高水準が続いている。英イングランド銀行(中央銀行)は23年2月に0.5%の大幅利上げを続けており、景気悪化への懸念はくすぶっている。