ゼレンスキー氏が妥協示唆 与党、NATO早期加盟断念も

【フランクフルト=深尾幸生】ウクライナのゼレンスキー大統領は9日、独紙ビルトのインタビューで「あらゆる交渉で私がめざすのはロシアとの戦争を終わらせることだ。一定の手段を講じる用意もある」と語った。和平実現に向けて妥協の意思を示唆したものとみられる。ウクライナ与党は一定の条件下で北大西洋条約機構(NATO)への早期加盟を断念する考えも示した。
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ゼレンスキー氏は、平和のために何を提供する用意があるのかという問いに答えた。そのうえで「妥協することはあっても、それが祖国を裏切るものであってはならない」と続けた。「両国の大統領が直接話して初めてこの戦争を終わらせられる」と述べ、プーチン大統領との直接の会談が必要だと強調した。
ゼレンスキー氏率いるウクライナ与党の「国民の奉仕者」は8日に声明を出し、NATO加盟の条件が整うまで、米欧にロシアを加えた周辺諸国によるウクライナの安全保障の確約が必要と指摘。NATO早期加盟を事実上諦める考えを示唆した。
ドイツ通信によると、ゼレンスキー氏の外交アドバイザーは8日の独公共放送ARDで、中立国化について話すことも否定しないと述べた。10日にはトルコ・アンタルヤで、ウクライナのクレバ外相とロシアのラブロフ外相が会談する。ロシアがウクライナ侵攻を始めて以来、最高位の会談になる。
ロイター通信によると、ロシア外務省のザハロワ報道官は9日、ウクライナ政府の転覆は目的ではないとし、ウクライナとの交渉で意義ある進展を期待していると述べた。
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