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米英、新「大西洋憲章」合意へ 民主主義・安保協力強化

ジョンソン英首相はバイデン米政権との関係強化に力を入れる(4月、ロンドンにて)=AP

【ロンドン=中島裕介】米国のバイデン大統領と英国のジョンソン首相は10日の英南西部コーンウォールでの会談で、民主主義の擁護など現在の国際課題に取り組むための行動目標をまとめた新たな「大西洋憲章」で合意する。中国などで権威主義が台頭し従来の国際秩序が揺らぐ中、民主主義陣営を代表する両国が結束を示す狙いだ。

英首相官邸が9日夜(日本時間10日早朝)発表した。英米両首脳は会談の成果を、11日から始まる主要7カ国首脳会議(G7サミット)に生かしたい考えだ。

今回モデルとしたもともとの大西洋憲章は1941年に策定され、貿易障壁の引き下げや海洋の自由の確保など第2次大戦後の両国の目標を掲げた。後の北大西洋条約機構(NATO)や、世界貿易機関(WTO)の前身にあたる関税貿易一般協定(GATT)の創設につながったとされる。

英政府によると、新たな憲章では「人類の利益のため」の行動目標を8項目定める。まず民主主義の擁護や集団安全保障の重要性、公正な世界貿易の維持などこれまで自由主義諸国が掲げてきた原則を確認する。

このほかサイバー攻撃への対抗や気候変動対策、新型コロナウイルス危機からの脱却など足元の課題も盛り込む。

英政府は明示していないが、今回の憲章は米国を中心とした国際秩序やルールへの挑戦を強める中国やロシアへのけん制の狙いがあるとみられる。トランプ米政権下ではG7内で亀裂が走り、民主主義陣営の結束は大きく揺らいだ。

バイデン政権への交代を機に、パリ協定などの国際ルールや世界保健機関(WHO)などの国際組織を中心とした秩序を再活性化する意図がありそうだ。ジョンソン英首相は憲章についての声明で「最大の同盟国である米英の協力は、将来の世界の繁栄と安定に極めて重要だ」と表明した。

旧憲章ではナチス・ドイツの独裁体制からの防衛に主眼が置かれ、欧州の複数国が憲章に賛同を示した。今回の憲章でもG7など民主主義の国々に、賛同を募る可能性もある。

このほか首脳会談では、コロナで停滞する米英間の人の移動の復活に向け、2国間での規制緩和についても協議する。

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