「国外で一から投資」案件、世界で21%減 UNCTAD調べ

【パリ=白石透冴】国連貿易開発会議(UNCTAD)は9日、2022年1~3月の期間に工場や販路を国外で一からつくる「グリーンフィールド投資」の世界での件数が、21年の四半期平均より21%落ちたと発表した。2月に始まったロシアのウクライナ侵攻で、投資判断に慎重になった企業が増えたとみられる。
中国政府が新型コロナウイルスの感染拡大を徹底して抑え込む「ゼロコロナ政策」を取っていることも、件数を減らす要因になり得ると分析した。国境をまたいだM&A(合併・買収)の件数も13%減った。
こうした海外直接投資は21年に新型コロナウイルス禍前を上回る水準まで回復していたが、UNCTADはウクライナ危機で投資環境が不透明になると分析。22年の投資規模について「勢いが続くことはないだろう。最もうまくいっても21年と横ばいだ」とした。
侵攻を巡っては、ロシアとウクライナ向けの投資が減っているだけでなく、エネルギー、食料、金融など広い分野でビジネスに混乱が起きている。
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