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ロシア、欧州へのガス供給増 貯蔵施設5カ所に充塡へ

【モスクワ=桑本太】ロシアは欧州への天然ガス供給を増やし始めた。国営ガス会社のガスプロムが欧州内の5カ所のガス貯蔵施設への供給増を9日に発表、欧州向けの一部パイプラインでガス輸送が増加に転じた。現時点での増加量は限定的で、気温が低下する冬を控えて欧州の需要を補えるかは懸念が残る。

ガスプロムは9日、「欧州の5つの地下貯蔵施設について、11月のガス注入計画を承認し、実施し始めた」と発表した。具体的な内容については公表していないが、ガスの輸送量と経路についても決定したという。

インタファクス通信によると、ロシアからベラルーシを経由してドイツに向かう天然ガスパイプライン「ヤマル・ヨーロッパ」とウクライナ経由のパイプラインのガス輸送量が増加した。

プーチン大統領は10月27日、ガスプロムに対しロシア内の貯蔵施設への充塡を終えた後に、欧州で同社が管理する貯蔵施設へ供給するよう命令。インタファクス通信によると、ガスプロムのミレル社長は国内ガス貯蔵施設への充塡を今月8日に終え、その後にドイツやオーストリアなど欧州の貯蔵施設への供給を増やす予定としていた。今週以降にガスプロムが供給を始めるとの観測が高まっていた。

これまではガスプロムからの天然ガス供給が停滞し、欧州内の在庫は低い水準に落ち込んでいた。

ただ、9日時点での欧州へのガス供給の増加は限定的だ。インタファクス通信によると、ウクライナ経由スロバキア方面のパイプラインへの供給は同日に増加前と比べて1割程度増加したとみられるものの、ガスプロムが長期予約している輸送量を下回る状況が続いている。

ロシアのガスは欧州連合(EU)の天然ガス輸入の約4割を占める。ロシアが地下貯蔵施設向けのガス供給を増やして理解を求めつつ、より多くのガスを供給できる新パイプライン「ノルドストリーム2」の早期稼働を求めているとの見方も根強い。プーチン氏はノルドストリーム2について輸送効率が高く、環境負荷が少ないと主張する。同パイプラインは9月に完成しているが、EUの独占禁止を巡る規制の適用除外が認められず、稼働にはハードルが残る。

ロシアからのガス供給増の報道を受けて、欧州の天然ガス指標価格であるオランダTTFは9日、小幅に下落した。

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