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UAE探査機、火星の軌道到達

(更新)
2020年7月、火星探査機の打ち上げの様子が映し出されたドバイ宇宙センターのスクリーン=ロイター

【ドバイ=岐部秀光】中東の産油国、アラブ首長国連邦(UAE)が打ち上げた火星探査機が9日午後(日本時間10日未明)、火星の周回軌道への突入に成功した。UAEは宇宙開発をバネに科学技術立国へとカジを切りたい考えだ。

「アマル」(アラビア語で希望、英語名はHOPE)と名付けた探査機は、2020年7月20日、鹿児島県の種子島宇宙センターから三菱重工業のロケット「H2A」によって打ち上げられた。UAEを構成するドバイ首長国のムハンマド首長はツイッターで「アラブの歴史の新しい一章の始まりだ」と祝った。

「アマル」は火星上空2万~4万3000キロの楕円軌道を1周55時間かけてまわり、画像やデータを収集する。調査期間は火星の年で1年(地球の687日)を予定し、さらに1年延長の可能性もある。

軌道突入はUAEの計画の難関プロセスとされ、UAE当局者は成功率は「五分五分」と指摘していた。日本の火星探査機「のぞみ」は1998年に打ち上げられ、03年に火星に接近したものの、軌道突入に失敗し計画を断念した。

1964年打ち上げの米国「マリナー4号」が火星に接近してその撮影に成功したのを皮切りに、火星探査は冷戦下の米国とソ連のあいだで激しい競争が繰り広げられた。冷戦終結後は欧州やインドが探査機の軌道投入を成功させた。昨年7月に打ち上げられた中国の探査機「天問1号」と米国の「パーシビアランス」は2月中に火星への着陸を試みる。

UAEは2024年までに探査車両を月面に送る計画も明らかにしている。2117年までに人類が居住できる火星都市をつくる野心的な計画もある。

UAEは豊富な資金を武器に科学人材の育成や先端企業の投資誘致に一段と力を入れる。気候変動問題を背景に世界は脱炭素社会への移行を加速している。産業の多角化は、石油収入に依存する産油国に共通する切実な課題だ。

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