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トルコの証取トップが辞任 米での訴追配慮か

過去に対イラン制裁違反の罪で服役

【イスタンブール=木寺もも子】トルコのイスタンブール証券取引所は8日、ハカン・アティッラ最高経営責任者(CEO)が辞任したと発表した。アティッラ氏は米国で対イラン制裁に違反する罪で服役したことがある。1月に発足したバイデン米政権に配慮した人事だとの見方がある。トルコはロシア製地対空ミサイルの導入などを巡り、米国と緊張関係が続いている。

発表によると、アティッラ氏は「自身の都合」で辞任した。後任は明らかになっていない。

アティッラ氏は2018年、トルコ国営銀行ハルクバンクの副頭取時代に米国の対イラン制裁に違反したとして米国で詐欺や資金洗浄などの罪に問われ、実刑判決を受けた。刑期を終えた後、帰国してイスタンブール証取のトップに就いていた。

対イラン制裁違反の疑いを巡ってはハルクバンク自体も起訴されて公判手続き中で、米トルコ関係の緊張の一因だとされていた。アティッラ氏の辞任は、トルコ側によるバイデン米政権への配慮だとの見方が広がっている。

トルコはバイデン米政権の発足後、対米関係の打開を目指している。トルコのエルドアン大統領は米国のトランプ前大統領と個人的に親密だったといわれている。だが、1月にバイデン大統領が就任した後、同氏とは電話でも話していない。

一方、バイデン政権や米議会はトルコの人権状況などに厳しい姿勢をみせる。米国がハルクバンクに対して巨額の制裁金を科したり、トルコがロシアから導入した地対空ミサイル「S400」を巡って米国がトルコに新たな制裁を発動したりする可能性が浮上している。トルコと米国はいずれも北大西洋条約機構(NATO)に加わる同盟国だ。

アティッラ氏の辞任は、トルコの国内問題に関係するとの見方もある。20年11月、エルドアン氏の娘婿のアルバイラク財務相(当時)が事実上失脚した。同氏は財務相を務めていた際、経済関連の人事権を握っていた。19年のアティッラ氏の証取CEO就任を巡っても影響力を行使したといわれる。

アルバイラク氏の人脈とされた政府系ファンドのトップも9日付の官報で解任が明らかになった。後任にはエルドアン氏の息子ビラル氏の学友が選ばれた。この学友は大統領府に直属する投資局のトップなどを歴任していた。

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