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富裕層らに「ワクチンツーリズム」 ロシアやUAE

人口1000万人のUAEではワクチン接種回数が約900万回に上る(2020年12月、ドバイ)=ロイター

【イスタンブール=木寺もも子】自国で新型コロナウイルスワクチンの順番が回ってきていない富裕層らに対し、一部の国が接種の機会を提供する動きが出始めている。ロシアやアラブ首長国連邦(UAE)によるこうした動きは「ワクチンツーリズム」と呼ばれるが、貧富の差による不公平を助長するとの批判もある。

「ロシアでワクチンを受けられます」。ロシア製ワクチン「スプートニクV」の公式ツイッターアカウントは1日、7月から訪問外国人がワクチンを受けられる仕組みが始まると予告した。ただトルコ大手紙ヒュリエットによると、同国の旅行会社はすでにロシアへのワクチンツアーを催行している。旅行会社はロシア医療機関と提携していると説明している。

トルコの旅行会社のツアーでは、3日間ずつ2度、モスクワを訪れて接種を受けるほか「赤の広場」などの観光名所も訪れる。費用は片道約3時間の飛行機代や宿泊費込みで1099ユーロ(約14万円)からという。

接種回数がすでに人口の9割近い中東のUAEには、世界各国の富裕層がワクチン目的で集まっているようだ。UAEは非居住の外国人を接種対象にしていないが、スペイン王女2人や著名な投資家らがUAEでワクチンを受けたと報じられた。いずれも現地の有力者などから接種を持ちかけられたとしている。

英フィナンシャル・タイムズは、一部の富裕層がワクチン接種目的で居住権を得るためにUAEにオフショア企業を設立していると報じた。

バルカン半島のセルビアは3月下旬、外国人への接種を無料で始めた。同国メディアによると、北マケドニアなどセルビア語を理解できる旧ユーゴスラビア圏の国民ら2万人超が訪れ、週末には接種センター前に長い行列ができた。

人口700万人のセルビアは欧米や中国から計1500万回分のワクチンをかき集めたが、国民の間でワクチンへの忌避感が強く、接種率は2割台にとどまる。余ったワクチンを売りにして、少しでも観光収入を増やす狙いだ。

こうしたワクチン接種には批判も出ている。自国では接種対象年齢に達していなかったスペイン王女らは政府や国民から激しいバッシングにさらされた。カナダでも2月、海外渡航の自粛要請に反してUAEで接種したと報じられた年金ファンドのトップが辞任に追い込まれた。

日本の場合、外国で合法的にワクチンを受けても帰国後は2週間の隔離が義務付けられる。外国でのワクチン接種には、重い副作用が起きた場合に国から補償が受けられないおそれもある。

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