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巨大IT制裁金、世界売上高の最大10% 英の規制案

英当局は巨大IT企業の寡占に警戒を強めている=ロイター

【ロンドン=篠崎健太】英国の競争当局である競争・市場庁(CMA)は8日、デジタル市場の新たな規制案を公表した。プラットフォーマーと呼ばれる巨大IT(情報技術)企業を念頭に、公正な競争環境を害したと判断すれば最大で世界売上高の10%にあたる制裁金を科せるようにする。M&A(合併・買収)の審査も強化する。

法的拘束力のある行動規範をつくり、事業規模などで「戦略的市場地位(SMS)」を持つと判断した大手に網の目をかける。SMSの指定先は今後詰めるが、英国での年間売上高が10億ポンド(約1390億円)超で、世界売上高が250億ポンドを超すデジタルサービス企業を想定している。検索エンジンやSNS(交流サイト)、アプリストア、クラウドサービスなどの業態が対象となる見込みで「GAFA」など米国の主要IT企業が入りそうだ。

英政府は一部の巨大IT企業の寡占が進み、中小事業者の参入や利用者の選択権が脅かされかねないと警戒している。新たな規制では、公正な競争をめざす行動規範に著しく違反したと判断すれば最大で世界売上高の10%の制裁金を科す。対象企業には全ての買収案件について報告を義務付けるなど、M&Aへの監視も強化する方向だ。

英政府は11月27日、巨大IT企業を専門に扱う「デジタル市場ユニット(DMU)」をCMA内に新設する方針を表明していた。DMUは21年4月に発足予定で、新たな行動規範に基づく規制の実務を担う。英国はこれまで欧州連合(EU)の欧州委員会の競争政策下にあったが、EU離脱の「移行期間」が終わる20年末以降は独立する。

CMAのアンドレア・コシェリCEO(最高経営責任者)は「グーグルやフェイスブックといったテックの巨人に依存する消費者や企業が公平に扱われる必要がある」と強調した。「デジタル時代の新たな課題に対処するためには規制当局の連携が欠かせない」と述べ、個人情報保護や金融監督などを所管する各当局と協力する方針を示した。

英政府は提案を踏まえ、21年初めから法制化に向けた作業に乗り出す。英メディアによると、法的拘束力を持たせるための議会での承認には22年までかかるとの見方が出ている。

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