企業の排出ゼロ宣言、見せかけ排除へ提言 国連専門家
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【シャルムエルシェイク(エジプト北東部)=竹内康雄】国連の専門家グループは8日、温暖化ガスの排出を実質ゼロにすると宣言した企業や自治体などの行動が、実際に目標に沿っているかを見極めるための提言を公表した。温暖化防止に役立っていない見せかけの「グリーンウオッシュ」を排除する狙いがある。金融機関の融資や取引の選定の基準として使われる可能性がある。
第27回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP27)で公表した。提言は、企業や自治体に詳細な排出削減計画を示した上で、サプライチェーン(供給網)全体の温暖化ガスの排出を減らし、進捗状況を公表するよう求めた。
化石燃料関連事業に投資したり、森林伐採に関わったりするのは「排出ゼロ」とは相いれないと言明した。自らの排出を減らしたとみせるために排出枠の購入に安易に頼るべきではないとも指摘した。野心的な気候変動政策を損なうようなロビー活動も認められないと主張した。
提言は排出ゼロを守らせるため、自発的な宣言から当局などの規制に移していく必要性に言及した。規制することで進捗状況を毎年報告するよう義務付けるという。

11月に「第27回国連気候変動枠組み条約締約国会議」(COP27)がエジプトで開催されます。どのような議題で議論がなされ、どういう合意がなされるかが注目されます。最新のニュースと解説をお届けします。
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