ドイツ新車販売、2020年は19%減 春の行動制限響く

【フランクフルト=深尾幸生】ドイツ連邦自動車局(KBA)が8日発表した2020年通年の新車(乗用車)販売台数は19年と比べ19.1%減の291万7678台だった。マイナスは2年ぶり。新型コロナウイルス対策で、3月や4月にディーラーの営業が制限されたことが響いた。
全体の販売が振るわないなか、電気自動車(EV)は政府による購入補助金積み増しの効果もあり19万台と前年の約3倍に増えた。プラグインハイブリッド車(PHV)は20万台で4.4倍になった。
乗用車全体のブランド別の販売台数では、独フォルクスワーゲン(VW)が21.3%減で、シェア18%と首位を維持した。2位は独メルセデス・ベンツ(販売台数10.6%減)、3位は独BMW(13.7%減)だった。日本ブランドではトヨタ自動車が8.7%減でシェアは2.6%。三菱自動車(販売台数13.7%減)、マツダ(38.1%減)と続いた。KBAがブランド別販売台数を公表している34ブランドでは米テスラ(55.9%増)だけが19年比プラスだった。
ドイツ自動車工業会(VDA)のヒルデガルト・ミュラー会長は声明で「2021年は回復を予想するが、新型コロナの前の水準は当分達成されない」と述べた。VDAが同日発表した20年の国内乗用車生産台数は19年比25%減の350万8500台と過去45年間で最低だった。