ロシアで統一地方選 侵攻後初、各地で与党勝利か

ロシアで11日、年1回の統一地方選の投票があった。2月に開始したウクライナ軍事侵攻後では初の全国的な選挙となり、与党・統一ロシアが各州の知事選や中心都市の議会選で勝利する見通しだ。プーチン政権は内政の締め付けや情報統制で安定を保とうとしている。
戦時下の地方選について、中央選挙管理委員会のパンフィロワ委員長は11日、「アングロサクソンとすべての西側世界が敵対し、われわれを絶滅しようと願っている時に、わが民衆は忍耐力と不屈さを発揮している」と語った。ロシア通信が伝えた。
今回の統一地方選は、州や共和国など14の地方で首長を選び、6の州・共和国で議会選を実施した。12の地方の中心都市でも議会選があった。大都市では首都モスクワで地区議会選が行われた。地域によっては期日前の投票や電子投票も導入された。
投票は各地域で現地時間午後8時に締め切られ、極東から順次、開票が始まった。首長選ではスベルドロフスク州で現職の州知事がトップに立つなど、各地で現職知事ら与党系候補の優位が伝えられている。選挙結果の大勢は日本時間12日夜にも判明する見通しだ。
選挙戦は、行政組織や予算配分権を握る与党・統一ロシアが優位に進めた。ウクライナ侵攻が続く中で、与党は愛国心や団結を呼びかけ、各地方の首長選など大半の選挙で優勢を保ったようだ。与党による地方議会の支配も崩れない見通しだ。
政権は内政の締め付けも強めた。反体制派は、2021年1月に拘束されたアレクセイ・ナワリヌイ氏のように収監されたり、海外に逃れたりして活発な選挙運動を封じられた。大規模な集会も新型コロナウイルスの感染防止を理由に禁じられた。
戦時下の情報統制の強化で、欧米の報道はほぼ遮断された。国営メディアはウクライナが攻勢を強めていることはあまり伝えていない。ロシア側の攻撃や、ウクライナ東部や南部のロシア占領地域でウクライナ軍の砲撃により死傷者が出ているといった情報を一方的に流している。

2022年2月にロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まって1年になります。戦況や世界各国の動き、マーケット・ビジネスへの影響など、関連する最新ニュースと解説をまとめました。
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