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ドイツ、緑の党が支持率首位 二大政党は後退

政党支持率で1位となった緑の党のベーアボック党首=ロイター

【ベルリン=石川潤】ドイツの代表的な世論調査で環境政党、緑の党がメルケル首相の与党、キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)を逆転して支持率首位に立った。9月の連邦議会選挙(総選挙)に向けて緑の党は若いベーアボック氏(40)を首相候補に据え、変化を求める有権者の支持をつかんでいる。総選挙までまだ4カ月以上あるが、政権交代の可能性も高まりつつある。

「気候を守ることは(自分たちや次世代の)自由を守ることだ」。ベーアボック氏は7日の連邦議会での演説で、2030年までに温暖化ガスの排出を70%削減することや30年以降は排出ゼロの自動車しか新規に認めないことなどを訴えた。

メルケル政権は5日、2030年の温暖化ガスの排出削減目標を1990年比55%から65%に引き上げ、排出量の実質ゼロを5年前倒しして2045年までに実現する方針を示したばかり。だが、ベーアボック氏はさらに厳しい目標で揺さぶりをかけた。

世論はそんなベーアボック氏を後押ししている。議会演説と同じ7日に公共放送ZDFが公表した世論調査によると、緑の党の支持率は4月半ばと比べて5ポイント高い26%で、6ポイント落としたCDU・CSUの25%を抜いて首位となった。別の公共放送ARDが6日公表した調査でも、緑の党の支持率は26%でCDU・CSUの23%を上回った。

ドイツではCDU・CSUと中道左派のドイツ社会民主党(SPD)が二大政党として戦後政治を担ってきた。SPDの支持率も両調査でいずれも14%と低迷している。9月の総選挙後に初めて緑の党が第1党になり、引退するメルケル氏の後継首相の座をベーアボック氏が射止める可能性が出てきた。

ベーアボック氏は政治に「刷新」が必要だと主張し、16年続いたメルケル政権からの変化を求める有権者を引きつけている。CDU・CSUは西部ノルトライン・ウェストファーレン州首相のラシェット党首(60)、SPDはショルツ財務相(62)を首相候補に据えたが、いずれも政治経験豊富で安定感がある半面、新鮮さには欠ける。

問題は、9月の総選挙まで緑の党が勢いを維持できるかどうかだ。ZDFの調査では、総選挙後の政権をどの政党が率いるのがよいかという質問に対し、50%がCDU・CSUと答えた。緑の党は39%にとどまり、政権運営能力への不安を払拭し切れていない。

前回選挙の2017年にも、党首交代をきっかけにSPDの支持率が高まり、メルケル首相のCDU・CSUを上回ったことがあった。しかし、新党首から新鮮さが失われるにつれてSPDは支持率を落とし、選挙本番ではCDU・CSUが勝利した。

緑の党の勢いをはかる試金石となるのが、6月6日の独東部、ザクセン・アンハルト州の州議会選挙だ。緑の党はこれまで旧東独の支持基盤の弱さが課題だった。CDUや極右のドイツのための選択肢(AfD)が強い同州で得票を大きく伸ばすことができれば、緑の党の政権獲得も現実味を帯びてくる。

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