ルーマニア首相が辞任、選挙敗北で 野党が第1党維持

【ウィーン=細川倫太郎】ルーマニアのオルバン首相は7日、辞意を表明した。6日に投開票された上下院の選挙で、党首を務める少数与党の中道右派「国民自由党」が敗北した責任をとる。一方、最大野党の中道左派「社会民主党」は第1党の維持に成功した。AP通信などが伝えた。
開票率が9割を超えた段階の得票率は社民党が約30%で、国民自由党に約5㌽の差をつけた。選挙前の世論調査では国民自由党が優勢だったが、政府の新型コロナウイルスの対策への批判などから予想を覆す結果となった。社民党は単独過半数には届かなかった。
ルーマニアでは大統領が首相の任命権を持つ。国民自由党出身のヨハニス大統領は7日、「中道右派は連立政権を形成するのに十分な票を得た」と述べ、敗北しても国民自由党を中心とした連立政権の樹立を支持する方針を示した。社民党の反発は必至だ。
前回の2016年の選挙では社民党が圧勝したが、汚職などの批判や内部抗争の激化で、19年10月に政権が崩壊した。その後、オルバン内閣が発足。国民自由党は少数与党として政権運営を担い、今回の選挙で第1党になることを目指していた。