プーチン大統領「核戦争の脅威高まる」 追加動員予定せず

ロシアのプーチン大統領は7日の会合で、核戦争のリスクが高まっているとの見解を示し、自国の核兵器はあくまで防衛目的で保有していると強調した。部分動員令で招集した30万人超の予備役については、現時点で追加招集の予定はないとした。国民の懸念を抑える狙いとみられる。
タス通信などが7日に開いた人権関連の会合での発言として伝えた。プーチン氏は核戦争のリスクについて「そのような脅威は高まっている」と述べた。ただ「核兵器は防衛手段である」として、ロシアは核兵器を抑止力とみなしていると主張した。「私たちは狂っていない」と強調した。
ロシア国防省は5日、モスクワ南東のリャザニ州にあるジャギレボ空軍基地と南部サラトフ州のエンゲリス空軍基地がウクライナのドローン(無人機)による攻撃を受けたと発表した。ウクライナ側はドローンによる基地への攻撃を正式に表明していないが、ロシアがウクライナに報復するとの懸念が出ている。
ロシアの軍事ドクトリン(基本原則)は核兵器の使用があり得る場合として、ロシアや同盟国への核兵器を含む大量破壊兵器による攻撃などを規定する。核使用に関する決定は大統領に委ねている。
プーチン氏はウクライナでの「特別軍事作戦」について「長期にわたる可能性がある」と述べ、まもなく10カ月を迎えるウクライナ侵攻が一段と長期化するとの見方を示した。
ウクライナへの動員について、ロシアは9月に部分動員令を発令し、30万人超の予備役を招集した。プーチン氏は招集した予備役のうち15万人がウクライナに配備され、そのうち7万7千人が戦闘部隊だとした。「こうした状況下で追加動員の意味はない」として現時点で追加招集する予定はないと述べた。
部分動員令を発した後、ロシアから周辺の中央アジア諸国などに出国する国民が相次ぎ、不安が高まっていた。

2022年2月、ロシア軍がウクライナに侵攻しました。戦況や世界各国の動き、マーケット・ビジネスへの影響など、関連する最新ニュースと解説をまとめました。
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