ドイツ、レオパルト1最大178両を供与許可 欧州3カ国で

【ベルリン=南毅郎】ドイツ政府は7日、旧式戦車「レオパルト1」について最大178両までウクライナへの供与を認めたと発表した。実際の供与規模は修理の作業次第で、今夏までに25両程度が配備される見込みだ。ピストリウス国防相は同日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)を電撃訪問し、ゼレンスキー大統領と会談した。
輸出を認めたのは「レオパルト1A5」で、オランダやデンマークと連携して共同で供与する方針だ。ウクライナへの引き渡しを決めた主力戦車「レオパルト2」の旧式にあたり、独メディアによると1960年代から80年代半ばまで4700両が製造された。軍需企業がレオパルト1の改修準備に着手しており、具体的な規模が明らかになるのは今回が初めて。
2023年夏までに最大25両程度、年内に80両ほどの供与を目指すもようだ。24年半ばまでには100両以上に増える見込み。ピストリウス氏は「ウクライナの防衛力を維持し、攻撃に耐えられるよう貢献できることを祈る」と述べた。すでに600人規模の兵士の訓練も始まっており、戦車用の弾薬などの納入も進めるという。
ピストリウス氏は1月に国防相に就任したばかりで、外国の公式訪問は初めてになる。ゼレンスキー氏は最初の訪問先にウクライナを選んだことに謝意を示した上で「優先課題は軍隊のレジリエンス(強じん性)だ」と支援の強化を訴えた。
ドイツは主力戦車レオパルト2を14両供与すると表明済みだ。ウクライナへの引き渡しは英国の主力戦車「チャレンジャー2」とほぼ同じ3月末めどになる見通しだが、スペインなどでは整備上の理由から時間を要する懸念が出ている。
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