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リビア暫定統治始動 暫定首相ら指名、12月総選挙目指す

新たな暫定首相らを選出したリビア政治対話フォーラム(5日、ジュネーブ近郊)=ロイター

【カイロ=久門武史】内戦下の産油国リビアで、統一政権づくりに向けた暫定的な統治が動き出した。対立する東西の勢力が暫定統治を担う評議会のメンバーと首相を選出し、関係国も歓迎した。12月に予定する総選挙と大統領選の円滑な実施を目指すが、分裂した国を束ねるには課題が多い。

国連主導で1~5日にスイスで開かれた和平協議で、対立する各勢力の代表者が投票し、暫定評議会の議長に元外交官のムハンマド・メンフィ氏、暫定首相に実業家のアブドルハミド・ドベイバ氏を選出した。12月の選挙管理が重要な役割になり、メンフィ氏ら自身は出馬しないとした。

リビアは2011年に約42年続いたカダフィ独裁政権が崩壊後、民主化が混迷し内戦に陥った。東西の2つの勢力に分裂して戦闘を重ねたが、20年10月に停戦で合意していた。

5日の発表を受け、東西の勢力をそれぞれ支援するエジプト、トルコなどが歓迎する声明を出した。トルコ外務省は「リビアの主権、独立、領土の保全のための重要な機会だ」とした。

国連リビア支援団(UNSMIL)のステファニー・ウィリアムズ代表代行は「歴史的な瞬間」と評価した。ただ新たな暫定政権が国政選挙を予定通り実行できるかは不透明だ。5日に選出された新体制は下馬評では有力視されておらず、指導力は未知数だ。

10年に及ぶ混乱で対立を深めた勢力同士の和解や、悪化した治安の回復には時間がかかる。内戦に介入するロシアとトルコが派遣したとされる雇い兵らが多数リビアに残っている問題もある。「武器の管理に加え、外国から来た戦闘員を選挙前に退出させられるかが重要だ」とカイロ大のモハメド・カマル教授は指摘する。財政や行政サービスの立て直しも難題だ。

リビアを巡っては国連が主導し15年に「国民統一政府(GNA)」の樹立を定めた政治合意をまとめたが、実現しなかった経緯がある。西部にある首都トリポリが拠点のシラージュ暫定政権と、東部の有力軍事組織「リビア国民軍(LNA)」のせめぎ合いが続くなか、双方が権限を手放そうとしない恐れがある。

ドイツ、フランス、イタリア、米国、英国の5カ国は5日、共同声明で「リビアのすべての主体に、権限を新たな行政当局に引き渡すよう求める」と訴えた。新たな暫定政権の発足を「重要な一歩」と歓迎しつつ「なお長い道のりが控えている」と表明した。

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