IOC、米の北京五輪外交的ボイコット「尊重する」

【パリ=白石透冴】米政権が北京冬季五輪に選手団以外の外交使節団を派遣しない「外交的ボイコット」を決めたことについて、国際オリンピック委員会(IOC)の広報担当者は7日、仏AFP通信の取材に、決定を「尊重する」と述べた。
担当者は「政府責任者、外交官が出席するかどうかは各政府の純粋な政治的判断だ。IOCは政治的に中立であることから(決定を)完全に尊重する」と答えた。米選手団は予定通り参加する見通しであることを受け「五輪と選手の参加は政治を超えたものであることがはっきり示された。そのことを歓迎したい」とも表明した。
IOCのバッハ会長は選手を参加させないボイコットに否定的で「効果がなく、選手を罰するだけだ」などとこれまでの記者会見で語ってきた。自身も出身国の西ドイツ(当時)がソ連のアフガニスタン侵攻に抗議して1980年モスクワ五輪をボイコットし、同五輪へのフェンシング選手としての出場がかなわなかった経験を持つ。